鴻窯会の過去から現在までの活動

現鴻窯会名誉会長の奥田進氏より、鴻窯会の過去から現在に至る史実について寄稿して戴きましたので、これを広く会員の皆様方にお伝えし、鴻窯会に対する認識を新たにして頂きたいと思います。

鴻窯会の誕生

鴻窯会の名づけ親は小島幸三郎先生です。

京都高等工芸学校は明治35年(1902)に、色染科、図案科の2学科、翌年機織科増設の3学科で発足、その後昭和4年(1929)に我々の前身である陶磁器科が増設、同年、京都大学の西にあったキャンパスから現在の松ヶ崎キャンパスに移転、小島幸三郎先生が初代科長になられました。

昭和12年(1937)に窯業科に改称、第一回の卒業生が中心になって、同窓会を結成しておりましたが、その年同窓会の名前を<鴻窯会>と小島先生が名づけられたのです。

<鴻>はおおとり、大きい、広大、盛ん などの意味があります。

昭和23年(1948)には小島先生は校長になられており、大学に昇格のため大変なご苦労を重ねられておりました。

 昭和24年(1949)に専門学校から新制大学に昇格、京都高等蚕糸学校と併合、京都工芸繊維大学が誕生、小島先生は工芸学部初代学部長になられました。

上井勲先生が窯業工芸学科の学科長として教室の基礎づくりに心血を注がれ、その後有森毅先生を迎え上井、有森両教授のもとに学科の内容が徐々に充実して行きました。

その後10年経過して、昭和35年(1960)に、窯業工芸教室ニュースなる小冊子が発行され、両教授の苦心談や当時の教室の内容や活動事情が詳しく記述発表されております。

鴻窯会の活動

 昭和12年の鴻窯会の発足以後、同窓生の会合がもたれていたと聴いておりますが、あまり活発ではなかったようです。

所が、昭和47年(1972)から鴻窯会を盛り上げて行きたいと、第一回卒業生の故水野茂樹さんが中心になって、種々の事業が計画実行に移されて行きました。それらを列挙してみましょう。

1 毎年 総会、講演会開催

2 会誌{鴻窯会}を毎年発行 創刊号1979年

3 教室創立50周年記念事業として

 ・母校に<石庭 炎>を寄贈

 ・鴻窯会基金募集

4 卒業生陶芸家の作陶展と即売会の実施 第1回昭和50年 第2回同53年 第3回同56年

5 昭和54年、卒業50周年記念祝賀会と卒業生に記念品贈呈 毎年総会当日実行を続けている

6 母校教室に<窯業実験実習指針>を刊行して寄贈 1980年

7 窯業、物質工学関係の新卒者に記念品の贈呈 1994年以降続けているが一時中断し、18年   

  度から再開

 鴻窯会歴代会長

昭12〜昭60(1937〜1985)故水野茂樹(昭7年卒 名誉会長)

昭60〜平3 (1985〜1991)奥田 進(昭16年卒 名誉会長)

平3〜平12 (1991〜2000)元谷 直(昭19年卒 名誉会長)

平12〜平18(2000〜2006)浜中茂夫(昭35年卒)

平18〜   (2006〜    )小林 隆(昭34年卒)

 

末尾になって恐縮ですが、鴻窯会の生みの親ともいうべき小島幸三郎先生の略歴ほかを掲げさせておきましょう

1892 明治25年 米沢市生まれ

1914 大正3年 第二高等学校第2部甲類卒業

1917 大正6年 東京帝国大学応用化学科卒業 旭硝子株式会社入社

1921 大正10年 英国、独逸、フランスに留学

1925 大正14年 帰国 京都高等工芸学校教授

1948 昭23年 同上校長

1949 昭24年 京都工芸繊維大学初代工芸学部長

1950 昭25年 同上退官

1957 昭32年 死去 享年65

 

私が在学していた頃には小島先生は、硝子工学、窯炉工学、燃料及び燃焼工学の授業を担当されておりました。なお、先生はトンネル窯の設計技術者として特に有名を馳せておられました。

賛助会員の簡単なご紹介

最後に、鴻窯会の運営に対し多大のご協力を賜っております賛助会員様につきましても、ここに

社名と簡単な業務内容を記させて貰い、感謝の意を表したいと思います。

先ずは長年ご協力を賜りました5社をご紹介致します。(アイウエオ順)

 

 品野セラミックタイル工業株式会社(代表取締役 佐藤基) 床タイル、外装タイルの製造販売

 有限会社 島岡製陶所(代表取締役 島岡達三) 陶磁器及びガラす工芸品の製造販売

 株式会社 世界思想社教学社(代表取締役 高島国男) 学術図書・教育図書の出版

 轟製陶株式会社(代表取締役 柴田宗一郎) 磁器質施釉タイル・特殊セラミックの製造販売

 株式会社 吉延精機工業(代表取締役 吉延康昌) 各種金型・省力化機器及び部品類の製造販売

 

次に、平成18年度より新たに賛助会員になって頂きました5社をご紹介致します。(アイウエオ順)

 

 ATOホールディングス株式会社(代表取締役 茶屋誠一) 各種生産機器・検査機器の設計製作株式会社 大島鉄工所(代表取締役 大嶋一二三) ボールミル・内張り・ボールを初め、各種窯          

業設備機器の設計製作販売

オオタケセラム株式会社(代表取締役 大竹利吉) 機能性セラミックス・ファインセラミックス焼成用サヤ・棚板等の開発製造販売

東山セラミック株式会社(代表取締役 山田英孝) 電子部品焼成用サヤ・セッター・歯科用ルツボ等の製造販売

ヘラクレスセキュグラス株式会社(代表取締役 伊地知正樹) 防犯ガラス・防弾ガラス・ビル、

                             店舗用ガラスの製造販売 

 

                         (以上 文責奥田 進)